重要性を増しているEMC対策。電波暗室がレンタルできる会社一覧

重要性を増しているEMC対策。電波暗室がレンタルできる会社一覧

携帯電話がいきなり切れたり、テレビの前で掃除機のスイッチを入れたら画面が乱れた…などの経験はありませんか。これらは「ノイズ」の仕業であることが多いと言われています。多種多様な電子機器が開発、実用化され、ノイズ障害は深刻な環境問題として取り上げられるようになりました。今回はノイズ問題に欠かせないEMC対策と電波暗室についてご紹介していきます。

1.EMCとは
私たちの身の回りで使われる電子機器が増え、また、それぞれの電子機器が高性能化するにつれて、ノイズが満ちあふれいろんな経路から侵入しては電子機器にトラブルを起こします。事例によっては生命をおびやかすような重大な事故につながることもあります。これからもますます増えると思われる電子機器が、多くのノイズを出し、そのノイズの影響を受けてしまったら、様々な問題がでてくることは想像に難くありません。そこで、ノイズの発生を抑えるとともにノイズに対する耐力を上げることが大変重要になってきます。
電子機器において、自らノイズの発生源とならないようなEMI(電磁気妨害)対策と、たとえノイズにさらされても影響を受けないようなEMS(電磁気妨害感受)対策が同時に要求されるようになりました。これをEMC(Electromagnetic Compatibility)といい、「電磁適合性」、「電磁両立性」などと訳されています。

2.電波暗室とは
多様な電子機器や無線機器、情報通信システムを共存させるために、周辺に影響を及ぼさず、自らも周辺から影響を受けないEMC対策が、さまざまな機器の製品設計・開発段階から強く求められています。
電子機器から放射されている電磁ノイズの電界強度は、屋外での測定が基準とされていますが、屋外の測定は天候に左右されやすく、周囲からの電波の影響を受けやすいのが難点です。また、装置の電磁妨害に対する耐性を評価するために、装置が受けることが想定される電磁妨害に装置をさらし、その挙動を観察することによって行なわれるイミュニティ試験では、きわめて強い電界が照射されるため、電波法などの関係により屋外では実施できません。電波暗室は、こうした測定・試験を高信頼性かつ効率的におこなう施設としてますます重要となっています

電波暗室とは外部からの電磁波の影響を受けず、かつ外部に電磁波を漏らさず、さらに内部で電磁波が反射しないように設計・施工されたシールド空間のことです。
電波暗室は、無線機器の実験または電子機器のEMC計測を行う企業や研究所には欠かせないものですが、初期の設備投資や維持コストが多額であるため、使用頻度がそれほど高くなければ、自前の電波暗室を持たずに、必要な時だけ所有機関から借りることが少なくありません。このため、多くの所有機関が第三者へのレンタルを行っていて、所定の料金を支払えば利用することが可能です。

3.企業の電波暗室
国内では以下のような企業が電波暗室を取り扱っています。
・TSSジャパン 
http://www.tssj.co.jp/Frankonia.htm
・TDK株式会社 
https://product.tdk.com/info/ja/products/chamber/index.html
・東京計器アビエーション株式会社
https://www.tokyokeiki.jp/link/tka/products/shieldroom.html
・株式会社トーキン  
http://www.tee.tokin.jp/solution/ansitsu/index.html
・技研興業株式会社 
http://www.gikenko.co.jp/techno/electromagnetic_waves.html
・共信コミュニケーションズ株式会社 
http://denshikiki.kycom.co.jp/products2.html?creator_id=16&category_id=2
・ウェーブクレスト株式会社
https://wavecrestkk.co.jp/wc/category/product/chamber-emc/

4.まとめ
いかがでしたでしょうか。
パソコンやスマートフォンなどの携帯端末、テレビ、ラジオなどのAV機器など私たちの身の回りは多くの電気・電子機器であふれていますし、今後も技術の進歩によりもっと増えていくことでしょう。全くノイズを発生しない、あるいはノイズの影響を全く受けない製品を作ることは現実的には不可能であり、どうしても限界があります。メーカーもEMC対策に関する測定や試験を行い、発生するノイズレベルがどこまでならOKですよ、どのレベルまでの耐力があればOKですよと規定を設けて、その規定に合わせるような製品づくりが今なされているのです。

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